一般選抜 N全学統一方式(旧一般選抜A個別方式)の対策
私は2023年度に情報音楽コースを一般選抜A個別方式(学力併用型)で受験しました。試験は2日間に分けて行われ、1日目に芸術学部独自の国語・英語の学力試験、2日目に面接と、事前に準備した動画をもとにした口頭試問を受けました。
学力試験の内容
国語ですが、現代文では基礎的な論理的思考力を問う問題が多く、論説と小説の2題が出題されました。古文は文章は比較的短い一方、芸術学部らしく文学史が大問として出題されていたため、無視できない分野でした。
英語は私立大学らしく文法問題の比重が大きい印象でした。仮定法や時制、不定詞など王道の範囲からの出題が中心で、私は学校指定の文法書と問題集を繰り返し、スピード感を持って解けるよう演習しました。英語は国語と比べて難易度のブレが少ない印象だったため、対策を徹底して得点源にすることを意識していました。
なお、これらは私が受験した当時の形式です。2025年から芸術学部独自の学力調査問題は廃止されているため、現在の問題形式とは異なる点に注意してください。情報音楽コース志望の場合、上記の学力試験の足切りは毎年8割前後と言われています。しかし、学力試験の配点は200点が満点で、面接・口頭試問の配点は300点ですので、内容次第で逆転合格を狙うことも可能です。
口頭試問・面接の内容
口頭試問では、なぜこの演奏を選んだのか、どのような工夫をしたのかに加えて、これまでの音楽歴や、入学後に強化したいことなどを聞かれました。私の場合はピアノの連弾を行いましたが、演奏途中で上下を交代したり、聴衆に対してピアノを対面するように設置したりと、視覚的にも楽しめる工夫を取り入れました。
面接では、「人とのアンサンブルの中で、一人では生まれない躍動感のある演奏をしたい」という目標を話しました。同時にオリジナル曲の作曲にも取り組みたい。そのために必要な演奏・作曲・プログラミングを学べ、さらにライブとして披露する機会もある。「だから日芸で学びたい」と、自分の目標と大学での学びを結びつけて伝えました。
私は、ここが日芸受験における大切なポイントの一つだと考えています。
「この音楽が好き」「こんな音を作りたい」という感情は、とても大切な出発点です。そこから一歩進んで、「なぜ自分に刺さったのか」「そのために何を学びたいのか」「学んだ技術を将来どう使いたいのか」まで考えてみてください。過去・現在・未来の自分を研究し、「自分が目指す音楽家としての姿」を語れるようになることが、面接や口頭諮問への大きな準備になると思います。
私は「N全学統一方式(専門試験併用型)」を受験される方を中心に、まず学力と面接・口頭試問の双方を水準を引き上げ、その後は一人ひとりの進捗に合わせ、より補強が必要な部分に時間をかけていきます。
受験勉強は、日芸に合格するためだけのものではありません。自分のこれまでと向き合い、将来を考えることは、各々が目指す「音楽家」への第一歩であると私は考えています。一緒にその一歩を踏み出しましょう。
情報音楽コースに受かるために大切な3つのこと
日本大学芸術学部音楽学科情報音楽コースの受験対策は、通常の大学を目指すような人たちの受験対策とは大きく異なった要素が必要不可欠です。「なぜこのコースで学ぶのか」「大学での学びを通じて何を成し遂げたいのか」という、受験生の本質的な思考力と熱意が問われます。現役生として入試を経験した私が、合格のために本当に大切だと感じた3つのことをお伝えします。
① 自分の学びたいことが、日芸での学術的な学びと結びつくこと
情報音楽コースへの入試で最も重要なのは、「なぜ他の音大や音楽専門学校ではなく、日本大学芸術学部の情報音楽コースでなければならないのか」を明確に語れることです。
情報音楽コースは、音楽とテクノロジーを融合させた学術的・実践的な教育を行う非常に特殊なコースです。作曲・DTM・映像制作・音楽心理・音楽情報処理など、他のどの大学でも学べない独自のカリキュラムが揃っています。
「やりたいこと」と「日芸の学び」を繋げる
面接や書類審査では、必ずと言っていいほど「なぜ情報音楽コースを志望したのか」が問われます。このとき、「音楽が好きだから」「DTMをやりたいから」という漠然とした答えでは不十分です。
大切なのは、自分がやりたいこと(例:映像と音楽を融合させた作品を作りたい、音楽×プログラミングで新しい表現を探求したい)と、情報音楽コースの具体的な授業・研究内容がどのように結びついているかを、自分の言葉で語れることです。
さらにここに独自の要素を付け足して自分だけの志望理由を固めていく必要があります。そこには、これから自分が創造したい音楽や研究を絡ませていく必要があり、その現実性と面白さが合格に直結していると私は考えています。
POINT:情報音楽コースのシラバスや教員の研究内容を事前に調べ、「○○教授の△△に関する研究に興味があり、入学後は〜を学びたい」という具体性を持たせることが、他の受験生との大きな差になります。
② 誰にも負けない熱意や強みを持っていること
情報音楽コースの入試では、学力だけでなく「この人物は入学後に何かを成し遂げられるか」という可能性が重視されます。そのために必要なのが、誰にも負けない熱意と、あなただけの強みです。
「熱意」は行動で証明する
口で「音楽が大好きです」と言うだけでは熱意は伝わりません。入試までに、自分の熱意を「行動」として示せるものを積み上げておくことが重要です。
例えば、自分で作った楽曲をSoundCloudやYouTubeで公開している、コンテストに応募した経験がある、高校生のうちからDAWを習得してオリジナル作品を制作しているなど、具体的な実績や活動歴は非常に強力なアピール材料になります。
「強み」は唯一性を意識する
情報音楽コースには、音楽が得意な受験生が全国から集まります。その中で埋もれないためには、「自分にしかない強み」を意識することが大切です。
音楽の技術だけでなく、プログラミングの経験、映像制作のスキル、デザインの感覚、あるいは全く異なる分野(スポーツ、文学、科学など)との掛け合わせが、あなたの独自性を際立たせます。具体的エピソードが現時点で思いつかなくても、自分という人間がどのように生きてきたのかを振り返ることで、結びつくこともあるかもしれません。
POINT:「私は〇〇という経験を通じて、音楽と△△を掛け合わせることに可能性を感じました」という形で、自分の強みのストーリーを語れるよう準備しておきましょう。
③ 将来のステップアップのロードマップを描けていること
情報音楽コースの入試で合格する受験生に共通しているのは、「大学卒業後の自分」まで見据えたビジョンを持っていることです。
大学は「通過点」として捉える
「情報音楽コースに入りたい」というのはゴールではなく、あくまでもスタートラインです。入学後に何を学び、卒業後にどのような活動をしていきたいのか、そのロードマップを描けているかどうかが、教授の先生方に「この人は本気だ」と感じさせる決定的な要因になります。
例えば、「在学中に音楽制作の技術を磨き、卒業後は映像作家として活動しながら劇伴音楽を手掛けたい」「音楽×プログラミングの技術を活かして、インタラクティブな音楽体験を提供するサービスを立ち上げたい」といった抽象的な目標を語るのではなく、「在学中から楽曲を○○コンペティションに応募し、音楽で生きていくビジョンをさらに固めていく」や、「大学4回生時に音楽×プログラミングスクールを起業し、今まで得た知見を活かしながらビジネスの基盤を整えて卒業後には月の純利益△△円を目指す」などの超具体的な目標は、面接官の印象に強く残ります。
「なぜ今、情報音楽コースなのか」に答える
将来のロードマップを描く上で重要なのは、そのロードマップの中に「情報音楽コースで学ぶことの必然性」が組み込まれていることです。単に「音楽を学びたい」ではなく、「情報音楽コースで学ぶ〇〇が、自分の将来の目標の達成のためには不可欠だ」という論理的な繋がりを示すことが、説得力のある志望理由書・面接につながります。
POINT:「10年後の自分」「20年後の自分」を具体的にイメージし、そこから逆算して「だから今、情報音楽コースで学ぶ必要がある」という流れを作ることが、他の受験生との圧倒的な差になります。
まとめ:合格のために大切な3つのこと
・自分の学びたいことと、日芸・情報音楽コースの学術的な学びを具体的に結びつける ・行動で証明できる熱意と、自分だけの唯一無二の強みを持つ ・大学卒業後まで見据えた将来のロードマップを描き、情報音楽コースである必然性を語れるようにする
私は過去の受験対策や指導、そして当コラムの執筆を通じて、日本大学芸術学部音楽学科情報音楽コースの受験対策はかなり就活に近いものであると考えています。だからこそ様々な自分の魅せ方を研究し、それを誰にも被らないように鋭利なものにしていくことが求められていると感じています。情報音楽コースの入試は、決して難攻不落ではありません。しかし、「なんとなく音楽が好きだから」という準備では通用しないのも事実です。自分自身と真剣に向き合い、「なぜ自分が情報音楽コースで学ぶべきなのか」を言語化する作業こそが、合格への最短ルートであると私は確信しています。
情音進学塾では、合格に向けたプロセスを様々な音楽的視点からマンツーマンでサポートします。大学で学べることがわからない、自分自身の強みがわからないなどの初歩的な質問でも、面接や作曲などの具体的な技術でも指導が可能です。ぜひ一度ご相談ください。
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